ガルドラ龍神伝―闇龍編―
第二話:双子の魔道師
1
「ランディー陛下!」
フィブラス砂漠にある、砂龍王家の城。――
この城の中で、いつもより大きな声で王の名を叫ぶ魔族がいた。
リタの乳母であり、砂龍王の部下の一人でもあるジオだった。
「これ、落ち着きなさい、ジオ。一体、何があったというのだ?」
「あなた宛てにお手紙が来ています。それも、リタ殿下直筆の物です」
「何? リタから?」
ランディー王は目を丸くした。
彼の想像ではリタ姫は九年前にキアに誘拐され、レザンドニウム領国で亡くなったものだと、思っていたからだ。
彼はジオから手紙を受け取り、読んでみた。
その文字は、確かにリタの物だった。
『親愛なる父上へ――
レザンドニウムの領主キアの襲撃を受けて九年が経ちましたが、お元気ですか?
私は砂龍族から引き離され、奴隷として一生暮らすのかと思いました。
が、水龍族のヨゼフ、火龍族のナンシーが励ましてくれたおかげで、キアが操る奇怪な魔物に勝つことができました。
今はレザンドニウムを脱出して、彼らと一緒に砂漠を目指して冒険しています。
――あなたの娘、リタより
追伸 再会した暁にはパーティを開き、一晩中踊り、一緒に喜びを分かち合いましょう。
お返事、お待ちしております』
ランディー王は手紙を読み終えると、大臣に代筆を頼んだ。
「ランディー陛下!」
フィブラス砂漠にある、砂龍王家の城。――
この城の中で、いつもより大きな声で王の名を叫ぶ魔族がいた。
リタの乳母であり、砂龍王の部下の一人でもあるジオだった。
「これ、落ち着きなさい、ジオ。一体、何があったというのだ?」
「あなた宛てにお手紙が来ています。それも、リタ殿下直筆の物です」
「何? リタから?」
ランディー王は目を丸くした。
彼の想像ではリタ姫は九年前にキアに誘拐され、レザンドニウム領国で亡くなったものだと、思っていたからだ。
彼はジオから手紙を受け取り、読んでみた。
その文字は、確かにリタの物だった。
『親愛なる父上へ――
レザンドニウムの領主キアの襲撃を受けて九年が経ちましたが、お元気ですか?
私は砂龍族から引き離され、奴隷として一生暮らすのかと思いました。
が、水龍族のヨゼフ、火龍族のナンシーが励ましてくれたおかげで、キアが操る奇怪な魔物に勝つことができました。
今はレザンドニウムを脱出して、彼らと一緒に砂漠を目指して冒険しています。
――あなたの娘、リタより
追伸 再会した暁にはパーティを開き、一晩中踊り、一緒に喜びを分かち合いましょう。
お返事、お待ちしております』
ランディー王は手紙を読み終えると、大臣に代筆を頼んだ。