ガルドラ龍神伝―闇龍編―
ヒアは、自分が領国を脱出する際に使った手段について、長々と説明した。
三人は真剣に彼の話を聞いた。
話し終えると、彼は突然辺りを見回す。
「どうしたの、ヒア。何か探し物?」
「いや。ただ、妹がいないから妙だな、と思って」
「どこかに出かけたんじゃないかしら。例えば、≪葉龍女神ルナ≫の神殿とか」
「うーん……。その可能性もあるけど、≪お祈りの時間≫は、とっくに終わってるはずだし。
万一行ったとしても、あそこは今、樹海の悪霊達でいっぱいのはずだ」
ヒアが呟いていると、彼の家の呼び鈴が鳴った。
「あの乱暴な鳴らし方……。絶対、あいつだな」
ヒアは半ば嫌そうな顔をして、ドアを開ける。
彼の目の前には、水色の鬣をした葉龍族の少女がいた。
「クレル。良い加減に、家の呼び鈴を乱暴に鳴らすのは、やめてくれよ」
ヒアの言葉も聞かずに、少女は伝えたいことを言う。
その時の彼女は、息が切れそうになっていた。
リタは穏やかに、彼女に話しかける。
ヒアの妹プレシオに、何かあったのかもしれない、とリタは思っているのだ。
「そんなに慌てて、どうしたの?」
「プレちゃんが、プレちゃんが……」
「え、プレシオちゃん? 彼女がどうかしたの?」
「プレちゃんが、一人で樹海の悪霊達の所に……」
「待て。落ち着いて話してくれ。よくわからないよ」
リタは、少女を宥める。
彼女は一回深呼吸をしてから、もう一度四人に話す。
彼女の話によれば、ヒアの妹は彼女と一緒に≪葉龍女神ルナ≫の神殿に、祈りを捧げに行ったらしい。
が、その後で妹が「悪霊の気配を感じる」と言って、神殿の奥に行ったきり、戻って来ないのだという。
四人は彼女の話を整理しながら、話し合いをした。
「ねぇ、プレシオちゃんの言葉って、どこか謎めいてると思わない?」
「ああ。確かに君達から見れば、そう思えるかもしれない。
でも、俺達の一族は生まれつき≪幽霊や悪霊の気配≫を感じることができる。
あいつが神殿の奥に行ったのも、納得がいく」
三人は真剣に彼の話を聞いた。
話し終えると、彼は突然辺りを見回す。
「どうしたの、ヒア。何か探し物?」
「いや。ただ、妹がいないから妙だな、と思って」
「どこかに出かけたんじゃないかしら。例えば、≪葉龍女神ルナ≫の神殿とか」
「うーん……。その可能性もあるけど、≪お祈りの時間≫は、とっくに終わってるはずだし。
万一行ったとしても、あそこは今、樹海の悪霊達でいっぱいのはずだ」
ヒアが呟いていると、彼の家の呼び鈴が鳴った。
「あの乱暴な鳴らし方……。絶対、あいつだな」
ヒアは半ば嫌そうな顔をして、ドアを開ける。
彼の目の前には、水色の鬣をした葉龍族の少女がいた。
「クレル。良い加減に、家の呼び鈴を乱暴に鳴らすのは、やめてくれよ」
ヒアの言葉も聞かずに、少女は伝えたいことを言う。
その時の彼女は、息が切れそうになっていた。
リタは穏やかに、彼女に話しかける。
ヒアの妹プレシオに、何かあったのかもしれない、とリタは思っているのだ。
「そんなに慌てて、どうしたの?」
「プレちゃんが、プレちゃんが……」
「え、プレシオちゃん? 彼女がどうかしたの?」
「プレちゃんが、一人で樹海の悪霊達の所に……」
「待て。落ち着いて話してくれ。よくわからないよ」
リタは、少女を宥める。
彼女は一回深呼吸をしてから、もう一度四人に話す。
彼女の話によれば、ヒアの妹は彼女と一緒に≪葉龍女神ルナ≫の神殿に、祈りを捧げに行ったらしい。
が、その後で妹が「悪霊の気配を感じる」と言って、神殿の奥に行ったきり、戻って来ないのだという。
四人は彼女の話を整理しながら、話し合いをした。
「ねぇ、プレシオちゃんの言葉って、どこか謎めいてると思わない?」
「ああ。確かに君達から見れば、そう思えるかもしれない。
でも、俺達の一族は生まれつき≪幽霊や悪霊の気配≫を感じることができる。
あいつが神殿の奥に行ったのも、納得がいく」