双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「武内くん……、もういいよ……」
彼女の息が、自分の胸にかかる。
くすぐったいやら恥ずかしいやら……飛びそうな理性を何とかつなぎ止め、口を開く。
「多分、通り雨だからすぐやむだろ」
「でも、こんなの変だよ……」
「……だな。まぁ、ヘアピン壊した報いだと思っとけ」
「そんなの……いいのに……」
新川先輩はうつむいてしまった。
……これでいい。この方が、恥ずかしくない。
どれくらいそうしていただろう。
すごく短い時間だったような気もするし、すごく長かったような気もする。
やがて雨音がやみ、雲間から光が射し込んだ。
「やんだか……」
「武内くん大丈夫?ごめんね……」
「別に……背が高いのなんて、こんな時しか役に立たないから」
せっかく自分が屋根になったのに、濡らしては元も子もない。
最後に子猫に触りたかったが、自分の濡れた指を見て、断念した。