双子ですけどなにか?【修正終わりました】


そして、入学式。


桜が咲く校舎に、俺達は何故か一緒に向かってしまった。


母親が、方向オンチの彩花を送ってやれとしつこく言ったからだ。


もたもたと支度に手間取っている彩花に、俺のイライラはマックスだった。


「そんなに鏡見ても、顔は変わんねぇぞ」

「うるさい!最初の印象が大事なんだから!」


……そして案の定、遅刻すれすれになった。


「テメェのせいだぞ!!」

「うるさい!先に行けば!?」

「一人で行けるのかよ!」

「うっ……」

「いいから、走れ!!」


学校に着いた時には、もう全員が着席し、俺達は一番最後に会場である体育館に入った。


それがまずかった。


全力疾走した汗だくの俺達に、全員が注目してしまったのだ。


「あー、出身中学、クラスと名前は?」


入り口の近くにいた教師に話しかけられ、今見てきたばかりのクラスを申告するはめになった。


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