双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「……あ」


もう少し残ると言った健先輩を生徒会室に残し、一人で家に帰る途中、意外な組み合わせの二人を見つけた。


「ヒナ!」


その一人に声をかけると、彼女は振り向いて、笑った。


「彩花。偶然だね。今帰り?」


「うん。ヒナは部活の帰りだよね。で、何でそいつと一緒なの?」


そいつと呼ばれたもう一人が、低いうなり声をあげた。


「……悪いかよ」


黒い野獣のような男が言った。もちろん、晴人だ。


「校門で偶然会ったんだよね」


ヒナが言うと、晴人は黙ってうなずいた。


「へぇ……。こんな時間まで何してたの?帰宅部なのに」


「まぁ……色々あってな」


「テストがボロボロだったから、先生に呼び出されたんだって」


「おい!」


あっさり暴露したヒナに、晴人がツッコんだ。


「マジ?ださー」


「しょうがねぇだろ……風邪ひいてたんだから」


「バカは風邪ひかないって、嘘なんだねー」


「あはは、彩花、ウケる」


晴人は眉間にシワを寄せて、チッと舌打ちした。

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