双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「南中出身、2組、武内晴人」

「……同じく南中出身、1組、武内彩花……です」


彩花は乱れた髪を手で直しながら、小さな声で答えた。


俺達に注目した新入生が、ヒソヒソと話をしだす。


「あぁ、南中の双子か!!」


教師の声が、体育館に響いた。


双子?全然似てないね。


そんな声がちらほら聞こえて、俺のイライラは爆発した。


「っせぇな、双子じゃ悪いのかよ!!」


俺が怒号を飛ばすと、体育館は静まり返った。


……やっちまった……。


高校では平和に暮らそうと思ってたのに。


思わず額に手をあてうつむくと、隣にいた彩花に、思いきり足を踏まれた。


「ってぇな!!何すんだ、バカ女!!」

「バカはあんたじゃない!!」

「あぁ!?誰のせいで遅刻したと思ってんだよ!?」

「二人とも、やめなさい!」


結局教師に止められ、俺達はそれぞれの席に案内された。


そんな事があって、すぐに俺達双子は学年中で有名になってしまったんだ。

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