双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「晴人、次移動教室だぜ?」
「あぁ……そうか」
思い出したらイライラした。
うわぁ、怖い顔、なんて女子にヒソヒソ言われている。
聞こえてんだよ。産まれつきの顔をどうしろってんだ。
あぁ、面白くねぇ!
中学では彩花に近づきたい男共が寄ってきてウザかった。
邪険にあしらったら次々に喧嘩になり、あっと言う間に俺は「番長」なんてあだ名を付けられてしまった。
本当は女子と手を繋いだ事すらないのに、女たらしなんて、根も葉もない噂まで広められて……。
ちくしょう、全部彩花のせいだ。
理科室に向かう階段を上がっていると、誰かとぶつかって、プリントをばらまいた彩花を見つけた。
ざまぁみろ、バーカ。
「晴人、前!!」
「あ?」
和樹に言われて、ハッと前を見ると……なぜか女が、降ってきた。
「っ、ぶねっ……!!」
俺はとっさに、腕を伸ばす。
何段か上から足を踏み外したらしいその女は、ぽすん、と俺の胸におさまった。