双子ですけどなにか?【修正終わりました】


怖くて体が震えだした時、突然つかまれた腕が解放された。


彼等の視線は、あたしの後ろに移っている。


「……嫌だっつってんだろ」


地の底から出るような低い声が響いた。


「晴人!」


「あ、ホントに彼氏いたんだ……じゃあね~」


男達は恐怖におののいた顔で去っていく。


助かった。背がバカ高くて、顔が怖い晴人ににらまれたら、誰だって逃げるだろう。


「彩花ちゃん、大丈夫?」


晴人の後ろから美奈子ちゃんがやってくる。


それに、他のメンバーも続々と。


皆の姿を見て、やっと心から安心する事ができた。


「助かった……晴人、サンキュ」


「おぅ。てかお前、あのチャラ男はどこへ行った?」


「そういえば……」


晴人の指摘を聞いた健先輩が、怖い顔をした。


「彩ちゃん、翔は?」


「えっと……」


質問に答えようとした瞬間、後ろから声がした。


「ごめん、遅くなって」


現れたのは、三井先輩だ。


相変わらずヘラヘラ笑っている。


それがある人の怒りに火をつけた。


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