双子ですけどなにか?【修正終わりました】


猫グッズを譲ってくれるという里美に呼び出されたのは、日曜日。


彩花と同じ住所を知られるのはマズイから、家には来てもらえない。


結局里美の家から一番近い駅の前で、待つ事になった。


女と待ち合わせをする事自体初めてで、しかも相手が里美となれば、緊張せずにはいられない。


深呼吸していたら、自転車置き場の方から小さな人影が駆け寄ってきた。


「晴人くん!」


俺の名前を呼んだ彼女は、ニコニコ笑って手を降った。


片手に大きなビニール袋を提げて。


「よぉ」

「ごめんね、待たせちゃって。暑かったでしょ?」

「や、別に」

「どっか涼しいとこ行こうか。猫の飼い方教えてあげるから」


そう言って見上げた里美は、オフホワイトのワンピースを着ていた。


全身が同じ色のせいか、制服より少し、背が高く見える。


サンダルをはいた足で、里美は俺を駅前商店街の中の、セルフサービスのコーヒーショップに連れていった。


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