双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「で、これがおもちゃでね……」
奥の席に座り、テーブルに猫グッズを広げる里美は、どこかウキウキして見えた。
ユキの飼い主がすぐに決まり、安心したんだろう。
俺が注文した素っ気ないアイスコーヒーの向かいには、生クリームがたっぷり乗った、およそコーヒーとは呼べない代物が置かれている。
俺は飲みたいと思わないけど、里美には良く似合っていた。
「これ、一通り書いてある本。わからない事があったら、いつでも聞いてね」
ニコニコと笑う彼女がそばにいる事が、すこし不思議だ。
……デートみたいじゃないか。
まさか人前で、二人で会う事になろうとは、考えた事がなかった。
自分から誘ってくるなんて、里美は本当に俺の事が怖くないんだろう。
じっとその顔を見ると、メイクまでしてきてくれたのか、いつもよりまつげが濃くて、長いことに気づく。