双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「あ、彩ちゃんと美奈子ちゃん」
里美が先に声をかけてしまった。
「あれ?里美先輩!どうしたの?」
彩花が他人向けの笑顔を作る。美奈子は微妙な顔をしていた。
「デートだよ」
「はぁ!?」
何故か里美がそんな事を言うので、他の2人より、俺自身が驚いてしまった。
「ごめん、嘘。晴人くん、うちで飼えない子猫をもらってくれたの。そのアフターサービス、みたいな?」
ユキは自動車かよ。そうツッコむ事もできなかった。
暑さのせいか、頭が痛い。
彩花は笑いたいのを必死に抑えたような顔をしている。
また今夜いじめられる……なんて、そんな心配をしてる場合じゃなかった。
「そうなんだ……。晴人くん、先輩と仲良いんだね。プールの時はそんなふうに見えなかったのに」
美奈子が、能面のような顔で、いつもの明るさを失った声で呟いた。
気づかれた。そう直感した。
「最近、たまたま……猫のおかげだよ」
里美は俺に代わり、当たり障りなく答える。
しかし美奈子は、まるで俺が自分のものかのように、声を尖らせた。