双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「彩ちゃん」
「はいっ」
緊張した声を出してしまうと、健先輩は笑いながら言う。
「デートみたいだね」
「はっ、はいっ!?あ、そうでございますね!」
「慌てすぎ。面白いなぁ」
……やっぱり、からかわれてる!
「健先輩って……本当は意地悪ですね」
「今頃気付いたの?」
「前から思ってました!」
健先輩は、あははと笑う。
そんな顔を見てると、厳しい暑さも感じない。
そうこうしてるうちに、衣装屋さんに到着した。
小さいけれど、小綺麗な衣装屋さんだ。
先生からの紹介状を受けとると、店員の中年女性は愛想良く笑った。
「私も、卒業生なんですよ。その頃からあったミスコンなの。
それにしても、ギリギリだわね。文化祭もうすぐでしょう?もう良いドレスはほとんど予約済よ?」
「貸していただけるだけありがたいです。モデルが良いので、大丈夫ですよ」
「はぁっ!?」
健先輩の冗談は、私の乙女心をぐりぐり刺激する。
女性店員は「あらあら~」と笑いながら、ドレスコーナーに私達を連れていった。