双子ですけどなにか?【修正終わりました】
ドレスを脱ぎ、服に着替えてしまうと、途端に魔法が解けてしまったみたい。
未だにぼんやりする私の横で、健先輩はさくさくと予約手続きを済ませていた。
「あ、コスプレ……どうしよう」
借りるなら、それも見せてもらわなきゃ。
そう思ったのに健先輩は、「さぁ、行こうか。お疲れ様。どうもありがとうございました」と言って、私の手をひくと、さっさと店を出てしまった。
「先輩、コスプレ忘れてませんか?」
思わず聞くと健先輩は、さっきの優しい顔はどこへやら、心底意地の悪い目をメガネの奥で光らせた。
「悪いけど、コスプレは決まってるよ。里美のリクエストでね」
「えっ?」
……嫌な予感がする。
「まさか……」
「制服なら、衣装代タダだし?」
やっぱり。里美先輩と同じかっこうをしろってことだ。
「やだ!!」
散々エロいとからかった報いが、自分に来た!
「生徒会の伝統にしようか」
「無理です!里美先輩ならまだしも、私がそんなのしたら、パンツ見えちゃいます!」
「いいな。見てみたい」
あはは、と健先輩は笑う。
いや、笑い事じゃないし。冗談にしてもきつい。