双子ですけどなにか?【修正終わりました】
それに、話の中に出てきた人の名前が私を暗くさせる。
「健先輩て……里美先輩の事、好きなんですか……?」
気づけば、そう聞いていた。
三井先輩は寂しそうに笑う。
「やっぱり、彩花ちゃんは間宮が好きなんだね」
否定も肯定もできなかった。
今はただ、苦しかった。
「間宮と里美の間には、本当に恋愛関係はない。断言できるよ」
真剣な顔に、優しい声。
それは私を少し楽にしてくれると期待したのに。
「ただ、あいつらの間には恋愛とは別の絆があるから……敵になる事はないけど、里美にはかなわないと思った方がいいかも」
「……?意味がわかんないんですけど……」
恋愛とは別の絆?それって、どんな……。
考えこんでしまうと、三井先輩はのほほんとした声で言う。
「だから彩花ちゃんは恋愛部門だけで間宮の一番を目指したら。総合では里美に勝てないから」
「何それ……」
「ワケわかんないだろ。あんなヤツやめて、俺にしたら」
「……私を混乱させて、楽しいの?」
見上げると、三井先輩は「そんなわけないじゃん」と言って笑った。
健先輩と里美先輩の間については、もう話す事はないというように。