双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「行って良し」と言われ指導室から出ると、メガネに手招きされた。
舌打ちしてついていくと、誰もいない生徒会室に連れていかれる。
「ずいぶん荒れてるみたいだね。2年の間で、噂になってる」
「……売られたものを買っただけだ」
「買わずにスルーできないの?あまり素行が良くないと、妹さんにまで悪い噂が立つよ」
はっ?
俺は、目をみはった。
こいつ、知ってんのか――?
「何の事だか」
「まぁ、隠したいのはわかるけど、これだけ目立っちゃ隠しきれないよ」
「だから、何の事だ」
大抵の人間が逃げる俺のにらみを受けて、負けずにメガネの奥の目が、冷たく光った。
「双子の妹が武内彩花さんだって事だよ、武内晴人くん」
「……!」
こいつ、知ってんるんだ。
彩花が、俺と双子だという事を。
「彩ちゃんは僕が知ってる事に気づいてないよ」
落ち着いた声が気に障る。
「心配しないで。キミと双子だからって、僕の彩ちゃんを見る目は変わらないから」
そう言ったメガネの目は、揺らがない。
その言葉が嘘でないと言うように。
「……なら俺がどうしようと関係ねぇだろ」
「関係なくはないだろ。キミの悪い噂が立つと同時に、彼女の様子がおかしくなった」
「あぁ?」