双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「晴人くん……!」
腕の中で小さな悲鳴が聞こえ、慌てて手を離す。
そうか俺……とっさに、里美をかばったのか。
「晴人!里美先輩!大丈夫!?」
彩花と和樹が駆け寄る。
「なんか、いてぇ……」
里美から視線をそらし、熱いような痛みを感じて頭を触ると、指にぬるりとした感触があった。
花瓶で殴った2年生は、俺の姿を見て、後ずさる。
「げっ、晴人、スゲー血!!」
「あぁ……?」
ポタポタポタ。
肩に異変を感じてそちらを見ると、制服が点々と赤く染まった。
指も、赤く濡れている。
「……切れてるか?」
彩花を見ると、青ざめた顔でこくこくとうなずいた。
「こら!!何してんだ!!」
廊下から突然教師が現れた。
「おい、どうした!!」
教師まで荒れた教室や出血した俺を見て、顔を青くする。
「武内、とにかく保健室に行け。誰か代わりに事情を説明しろ」
すると里美が、「私が」と声をあげた。
チラと見た彼女は、濡れてもないし、怪我もないようだ。
良かった……。
「晴人くん……」
「……彩花、行くぞ」
「え?ちょっと……」
何か言いたげだった里美と視線も合わせず、背中を向ける。
ちょっとふらついたが、何とか普通に歩き出した俺の横に、彩花が付き添った。