双子ですけどなにか?【修正終わりました】


重い足取りで生徒会室に戻る途中、廊下の向こうから、晴人が寄ってきた。


「おい」


学校でむこうから話しかけてくるなんて、珍しい。


「どうしたの?」

「お前を探してた」

「はぁ?キモッ。何で?」


いつものように言ってやると、晴人は舌打ちをした。


「チッ、可愛くねぇな」


「可愛さの欠片もないアンタに言われたくない。一体何なのよ」


いつものバカみたいなやりとりをしてるだけで、普段の自分が戻ってくるのを感じる。


しかし晴人は「おぉそうだ」と真面目な顔に戻った。


「嫌な予感がするから、気をつけろ」

「は?」

「双子の勘だ」


あまりに予想外な言葉にぽかんとしてしまう。


「さっきチャラ男……なんつったっけ、ほら」


「三井先輩?」


「それだ。それに、アニキって言われた。結構学校中に双子だと知られてるらしい」


「そうみたいね……」


私はぐったりした。

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