双子ですけどなにか?【修正終わりました】
窓際で、2つの影が重なっていた。
健先輩が里美先輩の肩を抱くようにしていたんだ。
「あ……!」
背を向けていた健先輩より少し早く、里美先輩がこちらに気づいた。
その頬は赤く、黒い目に涙が浮かんでいる。
彼女が口を開こうとした瞬間、私の横の大きな影が動いた。
晴人だ。
晴人は里美先輩に背を向け、何も言わず、その場を後にしようとする。
「待って、違うの……!」
里美先輩の切ない声は確かに届いたはずなのに、晴人はその大きな歩幅で、あっという間に姿を消してしまった。
晴人を追いかけなきゃいけないのに、傷ついた晴人を一人にしちゃいけないのに……足が地面にめり込んだように、動かない。
何で……何がどうなって……。
呆然としていると、健先輩が里美先輩に近づき、肩をたたく。
「里美、行って。自由行動を許可する」
「健くん……」
「彩ちゃんには説明しておくから」
里美先輩は少し考えてうなずくと、私をチラリと見ただけで、何も言わずに廊下に出ていく。
後には、私と健先輩だけが残された。
先輩は、ゆっくりと口を開く。