双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「いや……っ!」
自分の唇に温かい息があたって、それが触れる直前、正気に戻った。
私は全力で健先輩から体を離し、彼をにらみつける。
「ふざけないでよ……っ!」
涙がボロボロと溢れ、健先輩の顔がよく見えない。
それでも私は、言葉を続けた。
「ふざけないで……。こんな弁解、しなくていい……」
「…………」
「先輩達の間に何があろうが、私に責める権利はないけど……。
健先輩にも、弁解するふりして、私の反応を楽しむ権利はないよ……!」
「彩ちゃん……」
「いつもいつも、私の事からかって、楽しいですか!?
自分の事を好きなバカな後輩に、意地悪して、楽しいですか!?」
あぁ、こんなのダメだ。
でも、もう止まらない。
「私の気持ちなんかとっくにわかってるのに、それは無視して……いつも意地悪して楽しんで!
健先輩、最低だよ……っ!」
そこまで言うと、私は鍵を自分で開け、そこから逃げ出した。
最低なのは、私だ。
本当は大好きなのに。
何で……言葉は素直じゃないんだろう。