双子ですけどなにか?【修正終わりました】
私は、走った。
ただ、晴人に会いたかった。
晴人、晴人、晴人。
あんたの妹が泣いてるよ。
さっき一人にしないって言ったばかりじゃない。
お願い。
その大きな背で見下ろして。
お前はバカだって、いつもみたいに言って。
走って探したのに、屋上にも裏庭にも、晴人はいなかった。
帰ってしまったのかもしれない。
そう思うと心細くて、余計に涙が溢れた。
涙をふいたあたしは、トボトボと仕事に戻った。
晴人もいなきゃ、三井先輩も和樹くんもヒナもいない。
まるで世界でひとりぼっちのような孤独を抱えたまま仕事が一段落したのは、午後3時だった。
あと1時間でミスコンか……。出たくない……。
健先輩にも里美先輩にも会えないもん。
はぁ、とため息をつくと、知らない女生徒に声をかけられた。
「すいません、生徒会の方ですよね?」
「はいっ?あ、そうです!どうしました?」