双子ですけどなにか?【修正終わりました】
私はなるべく明るい表情を作る。
皆の楽しい文化祭に、私の感情は関係ないんだから。
そう言い聞かせて、作り笑いをした。
「あの、脚立を貸してほしいんですけど。天井の飾りがとれちゃって」
「あぁ、それなら裏庭の倉庫に……」
「それが、1つも無いんです」
「えっ?そっか……わかりました、もう一回見てきます」
「お願いします」
私は裏庭に急ぐ。
脚立かぁ。誰か使ってるのかな?
倉庫の鍵は今日限り、生徒会全員に配られていたので、ザワザワと文化祭を楽しむ生徒達の輪を外れ、一人で裏庭に向かった。
「あれ……?」
そこで、異変に気づいた。
倉庫の鍵……古い南京錠が、壊されている。
どうして?こんなところに泥棒?まさか。
恐る恐る戸を開けると、薄暗い倉庫の中に、光の筋が入った。
「……誰もいませんよね……?」
当たり前だが、返事はない。
その代わりに、目当ての脚立が見えた。
何だか気味が悪い。
早く脚立を持っていって、先生に報告しよう。
埃っぽい床に足を踏み入れた、その時だった。