双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「きゃあっ!!」


突然物陰から人が飛び出し、羽交い締めで、私の動きを封じる。


すると奥から、また何人かが出てきて、私の両手に、ガムテープを巻き付けた。


「ちょっと、何すんのよ!!」


相手は何も答えず黙ったまま、私の足首もガムテープで拘束すると、体ごと床に叩きつけた。


「いたっ!!」


背中を脚立の足にぶつけ、涙がにじんだ。


暗くて顔が見えないまま、私を縛った犯人達は、倉庫の外へ出ていく。


ただ、その犯人達が着ているのが、自分と同じ、女子の制服だという事はわかった。


「ちょっと、待ちなさいよ!!」


叫び声は虚しく、閉じられた戸にぶつかって散った。


すると、戸の向こうから、新しい南京錠をかける音がする。


「ばっ、バカ!!やめてよ、なんなのよ!!」


混乱する頭に、外の世界から声がした。


「調子に乗ってるからだよ、バーカ」


それは、間違いなく女の子の声だった。


「ミスコンなんか出るんじゃねぇよ」


「そんなに男に見られたいなら、連れてきてやるよ」


「ガラの悪い他校の生徒見つけたからさ。楽しみにしてなよ!」



はぁ!?


言いたい事だけ言うと、犯人達の足音はあっという間に遠くなっていく。


「ちょっと待て!!出せコラーっ!!!」



いくら叫んでも、返事はなかった。



頭が痛い……。


晴人の嫌な予感って、コレだったの?


両手を背中で拘束されて、ポケットのスマホにも届かない。


背中を冷たいものが、駆け抜けていった。


晴人、助けて!


健先輩でも、三井先輩でも、この際里美先輩でも良いから!


誰か、助けて。


こんなの、嘘だって言ってよ――。

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