双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「良いのかよ……」

「は?」

「何の根拠もない俺の勘に、会長直々つきあって大丈夫かよ」


そんな質問をした俺を、メガネは呆れ顔で見返した。


「お前が探してくれって言ったんだろ。それに……根拠はないけど、信じた方が良い気がするだけだ。双子の勘ってやつをね」


そう言うとメガネは風のように裏庭の方に走っていく。


俺は、メガネに指示された通り、体育館倉庫へ向かった。体育館に着くと、その入口は鍵がかかっていた。


「クソッ、何だよ!」


苛立ってその戸を蹴ると、ガン!と大きな音がした。


他の倉庫に向かおうとする俺に、背後から声がかかった。


「晴人くん……?」


ドクン、と心臓が跳ね上がった。


思わず振り返ると、戸の間から、里美が顔をのぞかせていた。


「今……ここ、叩いた?」


「ちょうどよかった。里美、彩花を見なかったか?ここの倉庫にいないか?」


さっきの事にかまっている場合じゃない。


彩花を見つけるのが先だ。


丁度体育館から、生徒会役員が出てきた。


もしかして、一緒に仕事をしてただけじゃないだろうか。


俺の胸は苦しいながらも、期待が芽生えた。


しかし、里美の言葉がその期待を打ち砕く。


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