双子ですけどなにか?【修正終わりました】


俺達は二手に別れた。


俺は、すぐそこ、運動場のすみの体育倉庫へ。里美は用務員倉庫へ。


体育倉庫に着くと、後ろから足音がした。


用務員倉庫へ行ったはずの里美だ。


息を切らせて、こちらへ走ってきた。


「里美、どうした?」


「今、用務員さんに会ったの。あの倉庫は今見たけど、誰もいないって」


「そうか……」


「ついでに、ここの鍵借りてきたよ」


里美は体育倉庫の鍵をとりだした。


鍵は裏庭の倉庫のものより大きな南京錠だ。


里美から受け取った鍵を鍵穴にさそうとした時、異変に気づいた。


「開いてる……」


南京錠は、一見しまっているように見えた。


しかし、触れた時、カチャンと音がして、開いてしまった。


嫌な予感がして、すぐに戸を開ける。


ギシ、と嫌な音がして、暗く狭い倉庫の中が見えてきた。


「彩花?」


一歩中に入るが、彩花はいない。


「どう?」


里美が入口から顔をのぞかせる。


「ダメだ。いない」


「そう……きゃあっ!」


「里美!」


入口にいた里美が、何者かに突き飛ばされたように、前のめりになって倉庫に入ってきた。


その転びそうになった小さな体を受け止めると、誰も動かしてないはずの戸が、外から閉められた。

< 233 / 429 >

この作品をシェア

pagetop