双子ですけどなにか?【修正終わりました】
俺達は二手に別れた。
俺は、すぐそこ、運動場のすみの体育倉庫へ。里美は用務員倉庫へ。
体育倉庫に着くと、後ろから足音がした。
用務員倉庫へ行ったはずの里美だ。
息を切らせて、こちらへ走ってきた。
「里美、どうした?」
「今、用務員さんに会ったの。あの倉庫は今見たけど、誰もいないって」
「そうか……」
「ついでに、ここの鍵借りてきたよ」
里美は体育倉庫の鍵をとりだした。
鍵は裏庭の倉庫のものより大きな南京錠だ。
里美から受け取った鍵を鍵穴にさそうとした時、異変に気づいた。
「開いてる……」
南京錠は、一見しまっているように見えた。
しかし、触れた時、カチャンと音がして、開いてしまった。
嫌な予感がして、すぐに戸を開ける。
ギシ、と嫌な音がして、暗く狭い倉庫の中が見えてきた。
「彩花?」
一歩中に入るが、彩花はいない。
「どう?」
里美が入口から顔をのぞかせる。
「ダメだ。いない」
「そう……きゃあっ!」
「里美!」
入口にいた里美が、何者かに突き飛ばされたように、前のめりになって倉庫に入ってきた。
その転びそうになった小さな体を受け止めると、誰も動かしてないはずの戸が、外から閉められた。