双子ですけどなにか?【修正終わりました】


三人とも晴人に負けず劣らず、ガラが悪い。


まさか、本当に他校のヤンキーを連れてくるなんて……。


「あの、助けて!」


「はぁ?」


「私、自分で好きこのんで、こんなところにいるんじゃないの。
お願い、このガムテープをはずして」


私はプライドを捨てて、男達にお願いした。


なるべく、可愛くて可哀想な顔を作って、涙まで浮かべた。


「そりゃあ可哀想だなぁ」


男の一人が言う。


その表情には哀れみはなく、代わりに気味の悪い笑顔がはりついていた。


「助けてやるけど、その前に礼をしてもらわなきゃな」


「前払いかよ」


ひゃひゃひゃ、ともう一人が嫌な笑い方をした。


そして全員でゆっくりと、一歩一歩近づいてくる。


「ちょっ……、来ないでよ」


声は震えてしまって、全く威嚇の効果はない。


男達の手は私の手首のガムテープはそのままで、足首のガムテープをはずす。


しかし両方から肩や腕を拘束されてしまい、立ち上がる事もできない。


「誰か、写真かムービー撮っとけよ。おい、警察に言ったら、それを流してやるからな」


そう言うと、私の制服のブラウスに、手をかける。


冗談じゃない!!


私は最後の勇気を振り絞って、叫んだ。


「私を誰だか知ってる?武内晴人の妹だよっ!!」


ブラウスにかけられた手が、ピタリと止まる。


そして三人の表情が強ばった。

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