双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「あんたたちも、ヤンキーの端くれなら知ってんでしょ。
去年まで南中にいた、武内晴人。アレ、私の双子の兄だからね!
もうすぐ助けにくるんだから。私に手出したら、タダじゃ済まないよ!」


晴人を恐れて、三人が退散してくれる事を期待して、声を張り上げた。けれど。


「知ってるよ、武内晴人なぁ……」


晴人の名前を聞いて強ばっていた男達の顔が、また薄い笑いを浮かべていく。


「武内には、非常に世話になったからな」


「代わりに妹にお返ししてやるか。本人が来ないうちにな」


しまった、逆効果だった!


男達は笑いながら、ブラウスのボタンをはずしていく。


「やだっ、やめて……!」


恐怖で目に涙が浮かんできた時、外から人の声がした。


「こんなところで何をしてるんだ?」


聞き覚えのある、優しい声。


まさか。だけど、この声を聞き間違えるはずがない。


「健せん……っ!」


助けを呼ぼうとした声は、男の手で遮られる。


「別に……休んでるだけです」


私を閉じ込めた女の子の声が、健先輩の質問に答える。


「じゃあ、ここを開けても構わないね?」


「ちょ、ちょっと待って……」


「何か?」


「良いからどっか行けよ会長!今取り込み中なんだよ!」


もう一人の女の子の声がした。


女の子でも、優しい健先輩なら脅せると思ったんだろう。けれど。




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