双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「そんな要望を飲む義務はないね」
冷たい声がして、戸の前にいたのであろう女の子が、軽く突き飛ばされたような音がした。
私はとっさに、自分の口をふさぐ汚い手に、必死で歯を立てる。
「いてっ!」
痛みで解放された口から、その名を叫んだ。
「健先輩っ!健先輩っ!!」
それが届いたのか、戸が勢いよく開いて、眩しい光が射し込んだ。
「なんだよ!」
男達は突然入った邪魔者に苛立ち、私から手を離す。
彼等がにらみつける先には、健先輩が、背から光を受けて立っていた。
先輩のメガネに光が反射する。
「何だテメェは!」
「痛い目にあいたくなかったら、さっさと消えな!」
男達が威嚇する。
一見優しい健先輩なんか、それだけで逃げ出すと思うんだろう。
健先輩は彼等の期待を裏切り、メガネの奥から鋭い視線でにらみかえす。