双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「……それはこっちのセリフだ」


聞いた事のない、冷たく低い声。


「何だと?」


「痛い目にあいたくなかったら、早く帰りなよ」


「はぁ?三人に敵うと思ってんのか、このメガネ!」


逆上した一人が、健先輩を殴ろうと、拳を振り上げる。


「先輩!」


だけど、その拳が先輩に当たる事はなかった。


健先輩は紙一重でその拳を避け、風のような早さで、相手のみぞおちに一発、パンチを食らわせた。


「ぐあっ……!」


早すぎて軽く見えた拳だが、相手はその一撃で、床に崩れ落ちた。


「どいつもこいつも……俺の名前はメガネじゃねぇ」


……俺?


冷たい声の持ち主は、健先輩の顔だけど、まるで晴人みたいな話し方をする。


全然、別人みたい……。


「もしかして……間宮か……?」


残った二人が、青い顔を見合わせる。


「東部中の間宮……?」


「まさか……」


「グダグダ言ってんじゃねえ。やるのか帰るのか、早く決めろ」


健先輩がそう言うと、二人は怒りに表情を変える。


「調子こいてんじゃねぇ!」


二人が同時に先輩に襲いかかった。


ダメだ、健先輩が殴られてしまう。

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