双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「お前立候補すんのか?何で?」
「余分な事はいいの。ほら、あそこ。
上の方に他の候補者のポスターもあるでしょ?あの辺に貼って。
こういう時にしか役に立たないんだから♪」
「……俺の身長目当てかよ……わかった、貸せ」
晴人はポスターをひったくると、見やすいところにそれを貼ってくれた。
「さんきゅ♪」
「へぇへぇ……ん?」
そこで晴人の動きが止まった。
よく見たら、視線も止まっている。
「どうしたの?」
「…………」
「晴人?」
モアイ像のように突っ立った晴人のお尻をつねってやると。
「ひぎゃっ!」
普段は絶対怒るのに、変な悲鳴を上げて、座りこんでしまった。
「晴人?本当にどうしたの?」
「や、な、何でもねぇ!!じゃあな!!」
そう言って立ち上がると、下駄箱とは別の方向に歩き出し……
突き当たりで気づいたらしく、くるりと向きを変えて、私の前を風のように走り抜けていった。
何をそんなに焦ってるんだろう?
改めて掲示板を見上げると、私のポスターの横には、新川先輩のポスターがあった。
ごく普通の、真面目な選挙ポスターだ。
「晴人、なに見て固まってたんだろう?」
他の掲示物も見渡してみるけど、答えは全くわからなかった。