双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「大丈夫?」


話しかけてくれた声も、のぞきこんでくれた顔も、いつもの優しい健先輩だった。


健先輩は膝をついて、私の手首のガムテープをはがしてくれる。


「……怖かったね。もう大丈夫だよ」


目を見つめてそう言われた瞬間、何かが弾けた。


健先輩の格闘シーンにびっくりして止まっていた涙が、ぶわりと溢れた。


「せんぱいぃぃぃ……!」


私は自由になった両手で、前に膝をついた健先輩に抱きついた。


「怖かったよぉ……!」


ずっと我慢していた不安と涙がボロボロとこぼれ落ちて、私を優しく抱き止める健先輩の制服を濡らした。


健先輩はその細い指で、泣きじゃくる私の頭を撫でる。


そして、優しい声で囁いた。


「……僕の事は、怖くないの?」


一瞬、何の事かわからなかった。


健先輩といれば、安心はすれど、怖い事なんか何もない。


落ち着いてきた頭で、健先輩に宛てる言葉を探した。


一生懸命探したのに。



「好きです……」


私の口からは、的を得ない、そんな言葉しか出なかった。


すると、頭を撫でていた健先輩の手が止まる。

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