双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「すいません、あの時は晴人に腹が立って、式の記憶がなくて」
「はは、そうだったんだ」
健先輩は、笑う。いつもと変わらずに。
「じゃあ何で、演説の時も、プールの時も知らないふりを?」
「だってキミが何も言わないから、僕が言う権利無いじゃない?
本人達が気にするほど、周りは気にしてないんだけどね。本人達が黙っていたいなら、その方がいいと思って」
頭が、ボーッとしてきた。
今まで苦労して隠してたのは、一体何だったんだろう……。
「健先輩も、気にしない……?」
「うん。むしろ、感謝してる」
「感謝?」
なんで?何に?
わからない私に、健先輩は補足説明をはじめる。
「晴人くんがあぁいうキャラなおかげで慣れてるから、僕が元ヤンでも怖くないんだろ?」
元ヤン。……元、ヤンキー。
「……そうかも……ヤンキー慣れしてるから……」
「ね?」
でも、健先輩に元ヤンという言葉は激しく似合わない。
いや、ただ者じゃないとは思ってたけど。
「先輩、どっちの先輩がホントなの?俺?僕?」
素直に疑問をぶつけると、健先輩はまた苦笑する。
「どっちも。レギュラーは僕。キレると俺」
「……」