双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「すいません、あの時は晴人に腹が立って、式の記憶がなくて」

「はは、そうだったんだ」


健先輩は、笑う。いつもと変わらずに。


「じゃあ何で、演説の時も、プールの時も知らないふりを?」


「だってキミが何も言わないから、僕が言う権利無いじゃない?
本人達が気にするほど、周りは気にしてないんだけどね。本人達が黙っていたいなら、その方がいいと思って」


頭が、ボーッとしてきた。


今まで苦労して隠してたのは、一体何だったんだろう……。


「健先輩も、気にしない……?」


「うん。むしろ、感謝してる」


「感謝?」


なんで?何に?


わからない私に、健先輩は補足説明をはじめる。


「晴人くんがあぁいうキャラなおかげで慣れてるから、僕が元ヤンでも怖くないんだろ?」


元ヤン。……元、ヤンキー。


「……そうかも……ヤンキー慣れしてるから……」

「ね?」


でも、健先輩に元ヤンという言葉は激しく似合わない。


いや、ただ者じゃないとは思ってたけど。


「先輩、どっちの先輩がホントなの?俺?僕?」


素直に疑問をぶつけると、健先輩はまた苦笑する。


「どっちも。レギュラーは僕。キレると俺」


「……」

< 245 / 429 >

この作品をシェア

pagetop