双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「まぁ昔、色々あってさ。……って、話がズレすぎたね。どうする?やっぱりやめとく?」


「やめとくって……?」


よくわからずに聞き返すと、健先輩は呆れた顔をして。


そして小さなため息をつくと、覚悟を決めたように、強く私を見つめた。


「だから……、僕の彼女になってくれますか?」


──ドクン。


また、心臓が、締め付けられた。


「……はい!」


必死でうなずくと、健先輩は優しく笑った。



そして、そっと、私の肩を抱き寄せる。


「好きだよ。入学式で見た時から、可愛いと思ってた」


夢のようなセリフ。


私のどこが?いつからそう思ってくれてたの?


どんな質問も、全て意味のない事に思えた。


「先輩、大好きです」


私もちゃんと言い返すと、健先輩の胸の鼓動が、少し早くなったように思えた。


「じゃあ……今度こそ、嫌がらないね?」


何が、と言おうと思って顔を上げた私に、健先輩は、触れるだけの、優しいキスをした。

< 246 / 429 >

この作品をシェア

pagetop