双子ですけどなにか?【修正終わりました】
ぼんやりしたままの頭で倉庫を出ると、健先輩が腕時計を見て、あ、と声を上げた。
「しまった、早く助けないと」
「えっ?」
「晴人くんと里美だよ。ここへ来る前、二人で閉じ込められたって連絡があった」
「はぁ!?」
信じられない状況に、言葉を失う。
「多分、キミを閉じ込めたやつらの仲間が、晴人くんをつけてたんだ。彼にキミを助けられないように。
僕はその前にたまたま会って、キミを探すように頼まれたんだ」
晴人が、健先輩に……。
そのおかげで私は助かったんだ。
「って……何で里美先輩まで?」
「説明は後。とにかく助けに行こう。さ、その良いものしまって」
「良いもの……?」
健先輩が意地悪な顔で指差したのは、はだけたままの、私の胸元だった。
キャミソールやブラのレースが隠す谷間が見えている。
「きゃあ!早く言ってくださいよ!」
急いで乱れを直す間も、全く照れる様子も無く、笑っている。
やっぱりこの人、ただ者じゃない。
「だって非常に良い眺めだったから。さ、急ごう」
「健先輩のバカぁ~!!」
健先輩は見たことのない笑顔で、怒る私の手をひいて駆け出した。