双子ですけどなにか?【修正終わりました】
やっぱりそうか。あの威圧感はただ者じゃないと思ってたんだ。
メガネ、早くしてくれ……。
手が震えて止まらない。
俺は倉庫の隅にあった高跳び用のマットに腰かけた。
すると、里美がゆっくり近づいてくる。
そして、俺の横に腰を下ろすと、俺の膝に乗っていた震える拳を、両手で包んだ。
「大丈夫だよ……」
「……お前にわかるのかよ」
「信じようよ。健くんなら、大丈夫だから」
見上げる目は1ミリも揺らがなくて、ますます俺はイライラした。
里美の口からメガネの名前が出る事に。
信頼に満ちた目で、俺以外を見ている事に。
しかし里美はそんな俺の気持ちを全く無視してしゃべりだす。
「そんなに……彩ちゃんが心配?」
「ったりめぇだろ」
「……そう……」
すると何故か、里美は手を離してうつむいてしまった。
何なんだよ。わけわかんねぇ。
「……あ」
「えっ?」
突然、頭に白い光がよぎった。同時に、手の震えが止まる。
「……今、助かった……」
「えっ?」
「メガネが、彩花を助けた……!」
見えたわけじゃないが、俺は確信した。