双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「晴人ぉ……。良かった……ホントに良かったねぇ……」


正直、驚いた。


彩花がポロポロ涙を流したんだ。


それをメガネが、指で優しくぬぐった。


「お前は……?」


聞くと、メガネが代わりに答える。


「おかげさまで」


それだけ言って、笑った。


「……やっぱり!良かったじゃねぇか!」


「うん、うん、晴人ぉぉぉ」


「ぎゃあ!」


何故か彩花は泣きながら抱きついてきた。


「バカ、抱きつくなら会長にしろ、うっとおしい!」


「何よぉ、良いじゃない、超心配してたんだからぁあぁ」


「ほら彩花、無くとブサイクになるよ」



彩ちゃん、ではなく、彩花、と呼ばれ、彩花はピタリと泣き止んだ。


「そうでした!里美先輩、晴人、ミスコン始まっちゃう!!」


「ホントだ!行こう、彩ちゃん!」


里美が彩花の手をとると、彩花はにっこりと笑い、彼女達は体育館へ駆け出した。


「僕達も行こうか」


メガネも彼女達のあとに続き、歩き出した。

< 258 / 429 >

この作品をシェア

pagetop