双子ですけどなにか?【修正終わりました】
その日の生徒会活動は、体育祭の最終打ち合わせだった。
会議が終わってから、健先輩に声をかけられた。
もちろん、皆に聞こえないように。
「送っていきましょうか?」
おどけた言葉遣いに、思わず笑ってしまう。
皆が行ってしまうと、里美先輩もにこりと私に視線を送って、先に行ってしまった。
私と健先輩は、暗くなりはじめた帰り道を一緒に歩いた。
健先輩は、通学用の自転車を押しながら。
本当は後ろに乗れば早いんだけど、私達は、なるべくゆっくり歩いた。
「何か、元気ないね」
健先輩がいきなりそう切り出したので、私は焦ってしまう。
「そんなことないですよ」
「ダメだよ。このメガネは全部お見通し」
「何ソレ、魔法のメガネ?」
健先輩の冗談に笑いながら、胸が温かくなる。
やっぱり、敵わない。
「実は……」
私は美奈子ちゃんの事を健先輩に話した。