双子ですけどなにか?【修正終わりました】
話を聞き終えた健先輩は、うぅんとうなる。
「難しい問題だな……」
「健先輩だったらどうします?」
「どうしようもないね。本人の気持ちがおさまるのを、待つしかない」
やっぱり、そうだよね。
ふぅ、と小さなため息が出てしまった。
「ひとつ言えるのは……彩花は悪くないってことかな」
ドキン。
『彩花』……。
健先輩は二人の時は私の事をそう呼ぶ。
まだくすぐったくて慣れないけど、意地悪な先輩の優しさが伝わってきて、自然と笑顔になった。
「うん、ありがとう……」
いつの間にか、私達は家の前に着いてしまった。
「ありがとうございました。おやすみなさい……」
離れがたいけど、しょうがない。
寂しさをこらえて、健先輩の制服の袖をつかむ。
すると健先輩は、その手を離し、ちゃんと私の手を握ってくれた。
たったそれだけで、ドキドキする。
その優しい顔を見つめると。
「……元気出しなさい」
静かに言った、その人は。
かすめるように、触れるだけのキスをした。