双子ですけどなにか?【修正終わりました】
それは、今まで知らなかったキス。
健先輩の熱い唇が、私に蓋をした。
その舌に、心臓まで食べられそうな感覚がする。
でも、怖くない……。
心臓が壊れたみたいに激しく脈打ち、全身が熱い。
もう、人に見られたらどうしよう、なんていう考えはどこかに飛んでしまって、ひたすら健先輩の唇に溺れた。
なんで、こんな事で息が乱れるんだろう……。
「……翔だけには、絶対渡さない」
やっと解放された唇のすぐ近くで、健先輩が呟いた。
私は自分の上下する胸を必死に抑える。
「いい?今後は十分警戒すること。今度こんな事があったら、おしおきだからね」
そんな事を囁いた健先輩の顔が、意地悪だったのか、優しかったのか、視界が涙で霞んで、よくわからなかった。
とにかく必死でうなずいた私に、先輩は。
「……いい子だ」
そう言って、またキスをした。