双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「あ……晴人……和樹くん……。ごきげんよう……」
「はぁ?」
よくみると彩花の頬は真っ赤で、瞳はぼんやりと宙を見ている。
「熱中症か?大丈夫かよ」
9月の日差しはまだまだ熱い。
しかし彩花の熱は、違うところから来ているようだった。
「ううん、大丈夫……」
潤んだ瞳で、首をふる。
キモッ。
彩花は最近、正確に言えばメガネと付き合いだしてから、どんどん色っぽくなっている気がする。
もちろん変な気持ちにはならないけど、これがメガネ効果だと思うと、寒気がした。
「何か、用だった……?」
「いや……」
「そう……?」
彩花はぼんやりしたまま、生徒会のテントへ戻っていった。
「何だアレ……」
「完全に色ボケじゃない?」
和樹がつまらなさそうに言う。
すると、少し離れたところに、女子の集団が集まってきた。
「信じられない……」
「ホントに見たの?」
「あの子、ホントに魔性だね」
何だか穏やかでない会話が聞こえてきた。
彼女達の声には、明らかに誰かに対する非難の色がある。
「ちょっと……!」
その中の一人が俺を指差す。
何だ?
にらんでやると、彼女達は全員黙った。
そしてヒソヒソ言いながら、違う日陰に移動していった。