双子ですけどなにか?【修正終わりました】


決勝の相手は陸上部の二年生らしい。


ほかの競技の切れ目なのか、周りに人が集まりはじめる。


相手がボソリと呟く。


同じ陸上部の応援を受けて、相手は駆け出す。


バーの高さは165cm。


助走をつけ、綺麗な背面飛びで、跳んだ。


「おぉー!」


拍手と歓声が飛ぶ。


相手はこちらを見て自慢気に笑った。


そうか、ああやって跳べばいいのか。



──ピィッ。


スタートの合図。


陸上部の敵意は無視して、バーだけを見る。


歩幅を数えながら走り、地面を蹴ると、里美の背よりはるかに高いバーを超える。


「やったー!」


和樹の声だけが聞こえ、パラパラと拍手が起こった。


けれど、マットに着地して、気づく。


少し、足がバーに触れてしまった。


次は170cm。もう無理か。


相手の一回目。


さすがに緊張した顔をしている。


助走をつけるが足が合わず、そのままバーを倒してしまった。


「あぁー!」


陸上部の落胆の声が聞こえる。


相手は明らかに焦った顔で、二回目のスタートにそなえた。


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