双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「……これ、どこに運ぶんだ?手伝ってやるよ」
「えっ?」
「あんたじゃ無理だろ。どうやって持ってきたかも不思議だ」
彼女は自分の背よりも大きな脚立を見上げ、あぁ、と笑った。
「違う子が持ってきてくれたんだけどね。
違う仕事があって、行っちゃった。
あたし、去年から生徒会役員だから、掲示物の整理をしにきたんだ」
彼女の手にある紙は、期限を過ぎた掲示物らしかった。
「へぇ……」
「じゃあ武内くん、お言葉に甘えていい?あっちの倉庫まで」
倉庫は裏庭の、焼却炉の横にあった。
掃除の時間もとっくに過ぎて、人はほとんどいない。
新川先輩がスカートのポケットから南京錠の鍵を取り出して、倉庫の扉を開ける。
中は薄暗く、ごちゃごちゃとしていた。
「ご苦労様。ありがとうね」
脚立を下ろすと、彼女はぺこりと頭を下げた。
「別に……苦労してねぇし」
「そうだね。軽々と持ってたもんね。さすが、男の子だね」