双子ですけどなにか?【修正終わりました】
そして何故か里美は泣きそうな声を出す。
「私、晴人くんの彼女になれて、嬉しかったから……。ごめんね、あんまり周りに知られたくなかったよね」
「……そんなつもりで言ったんじゃない」
「じゃあ、どういうつもりなの……?」
やっと顔を上げた里美は、本当に泣きそうな顔をしていた。
「どういうって……」
「文化祭以来、ううん、それより前から、メールするのは全部私からだし……。晴人くん、何も言ってきてくれないし……」
「……そうだな……悪い……」
里美の言うことはもっともだった。
俺は、悩むばかりで何もしなかった。
「……本当は、あれが、全部夢だったように思えるよ……」
「だから、こういうの、慣れてねぇんだって……。嘘じゃないし、夢じゃない」
ごめん。
本当は、ただ自然に物事が動いてくれる事を、期待してた。
「……本当に美奈子ちゃんより、私が良いの?」
「くっだらねぇ……。そんな事聞くか?」
「だって、美奈子ちゃんの方が綺麗だし、年が一緒だし、楽しいのかなって思うじゃない!」
珍しく里美は声を荒げた。
何だよ、そりゃ。
「何でそう卑屈なんだよ。歳なんか関係ねぇし、ちゃんと……好きだって、言っただろ」
「……じゃあ……信じさせてよ……」
里美はとうとう、泣き出してしまった。
他の女ならめんどくせぇ限りだが、里美の涙には、何故か胸が締め付けられる。