双子ですけどなにか?【修正終わりました】
トクトクと、小さいけれど早い鼓動が伝わってくる。
すると里美も同じ事を思ったのか、「心臓の音、すごいね……」と、呟いた。
里美は小さいから、少しかがんだ俺の胸の前に、ちょうど耳をくっつけていた。
「お前こそ」
「うん……」
片手で髪を撫でると、里美は猫みたいに自分からすりよってきた。
「……やっと実感した……」
里美の声からは、涙の響きが消えた。
腕の中で安心感が広がっていく。
「……俺も」
言い返すと、ふふ、と笑った里美の息が胸をくすぐった。
「高跳び、かっこ良かったね」
「……そうか」
照れてしまってそんな返事しかできないけど、心臓は正直に鼓動の速度を早めていく。
何か言い返そうとして考えていると、里美が顔を上げた。
その顔は赤く、瞳は潤んで輝いていた。
まるで、文化祭のあの日ののように。
「……好き……」
震えた小さな唇が、その気持ちを描く。
すると、俺の唇が、それに導かれるように、まぶたを閉じた彼女の唇を、ふさいだ。