双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「別に……ねぇ?」
「うん。今日は風水的に、こっちの方角がすごく良かったから来てみただけさ」
「嘘をつくな!」
晴人が追いかけてきて、私達は笑いながら逃げた。
すぐに追いついた晴人は、顔を真っ赤にして怒鳴る。
「つけてやがったな!!どこからどこまで見てたやがった!!」
健先輩と私は顔を見合わせる。
途端にぷうっと吹き出してしまった。
「超ドキドキしたぁ!」
「あぁ!?まさか……」
晴人がわなわなと震えだす。
「自分達が路チューしといて……。見られたくなかったら、もう少し気をつけなよ」
健先輩にズバリと言われ、晴人は一瞬白目をむいてのけ反った。
「晴人、無事にキスできて良かったねぇ」
「……」
「体育祭の時、なかなか戻って来なかったもんな。あの時、進展があったんだろう」
「え、まさか、保健室で?!私達、先越されたの?!ねぇ晴人、どうなの?最後までしちゃったの!?」
すると晴人は体勢を立て直し、久しぶりに野獣の目を光らせた。
「……するわけ、ねぇだろぉぉぉ!!」
地鳴りのような怒鳴り声に、周りが何事かと振り向く。
「彩花、乗って」
「はいっ」
まだ怒りでプルプル震えている晴人を尻目に、あたしは健先輩の自転車の後ろに乗った。
「逃げろ!」
と、健先輩が自転車をこぎだすのと、晴人が、「ぶっ殺す!!」と言ったのが同時だった。
私達は初めて二人乗りをした。
健先輩の背中にしがみついた私の髪を、風がさらう。
胸から健先輩の体温が伝わってきて、晴人と里美先輩のキスシーンが、まぶたによみがえる。
すごく幸せそうな二人を見て、私自身も、すごく幸せだと思った。
私も晴人も、好きな人と、ずっと仲良しでいられたらいいのに。
そんな期待が裏切られる時がすぐそこまで迫ってるのを、私達はまだ知らなかった。