双子ですけどなにか?【修正終わりました】
【彩花】恋のはじまり
「はぁ……」
「何ため息ついてんの、彩花」
「ため息もつきたくなるよ。
もう学年中に晴人の事が知れ渡っちゃったじゃない」
私はつい最近、高校生になったばかりだ。
一生懸命勉強して、なんとか合格した、まぁまぁの進学校。
これから、楽しい事がたくさんあるはずだった。
新しい友達を作って、新しい恋をして。
……なのに。
まさか、身内にその希望を打ち砕かれるとは……。
机に突っ伏してうなだれていると、同じ中学出身の友達・ヒナが前の席に座り、私の頭をなでた。
「よしよし、でもしょうがないじゃん。
晴人君とは一生縁が切れないんだから」
ヒナの言葉は、私の全身に突き刺さる。
「やめてよヒナ!もう、最悪……お母さんのバカ……
晴人なんか、だいっきらい!」
「……嫌いで結構だ」
「!?」
地の底を這うような低い声がして振り向くと、そこには私の天敵……晴人が立って、こっちをにらんでいた。