双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「そうだっけ、ね……」
バスとはもちろん、修学旅行から帰ってくる二年生を乗せたバスの事だ。
「よし、そろそろ行くか」
ほら、と手を差しのべて、私を立たせる。
その顔は、子供の時のままだった。
夕日に染まった、優しい笑顔。
その時、私は気がついた。
中学の時。
晴人の評判がものすごく悪くなって、男子から全くモテなくなった時。
逆に、嫉妬で攻撃をしてきていた女子達は、優しくなった。
晴人は、そうやって私を守ってたんだ。
くだらない男達からも。卑怯な女達からも。
本人に自覚があるかは、知らないけど。
いつもそうして、守ってくれてたんだ。
ぶわ、と涙が溢れてくる。
「泣くな。メガネに会う前に、ブスになるぞ。さっさと歩け」
そんな憎まれ口を叩いても、繋いだ手は離さない。
晴人。
晴人。
ありがとう。