双子ですけどなにか?【修正終わりました】
学校に戻ると、空はすっかり暗くなっていた。
運動場に、バスから降りた二年生が集まっている。
どうやら、解散になったところらしい。
「何やってんだ、早くメガネのところに行け」
「でも、まだたくさん二年生が……」
「チッ……なに乙女ぶってんだ」
お、乙女って。
晴人は私の手をつかみ、運動場の中に進んでいく。
気づいた二年生が、怪訝な顔でこちらを見る。
その中から声がした。
「あれ、武内兄妹じゃん」
三井先輩だ。
晴人は三井先輩をギロリとにらみ、「忙しいんだ。またな」と言って、寄せ付けなかった。
去り際にちらっと見た三井先輩は、ぽかんと口を開けていた。
「いた。おい、メガネ!!」
「ちょ、ちょっと……」
大声で名前を呼ばれた健先輩は、友達と話をしていたみたいだ。
驚いた顔で、こちらを振り向いた。
その近くの女の子のグループに、里美先輩がいるのも見えた。
健先輩に会いたいなんて、一言も言ってないのに。
何で、晴人はわかるんだろう。
何も聞いてないのに、当然のように、私をここまで連れてきてしまった。
今更心臓がドキドキいいはじめる。
迷惑だったら、どうしよう……。
しかし晴人はそんな事、気にしない。
「メガネ、疲れてるとこ、悪い。こいつ、べッコベコにへこんでるんだ。慰めてやってくれや」
そうぶっきらぼうに言うと、私の背中を乱暴に押した。
「彩花、どうしたの」
へこんでる、と聞いたからか、健先輩は友達を置いて、私の方へ近寄った。
私は何も言えずにうつむいてしまう。
すると先輩は、「やっぱり何かあったんだね」と、優しく聞いてくれた。
それだけで、ひっこんでいた涙が、溢れた。
私達の周りは、空気を読んで人がだんだん減っていく。
ただ泣いていると、里美先輩も歩み寄ってきた。
「彩ちゃん、大丈夫?」
答えられないでいると、その手を晴人がつかんだ。
「……悪い、二人にしてやってくれ」