双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「親切なんかじゃ、ない」

「そう?二回も助けてくれたじゃない」


それは、あんただから。


「武内くん、もしかして弟か妹、いる?」

「あぁ……一応妹がいる」


双子だけど……と、そう言うのはやめた。


珍しがられるのも、もううんざりだから。


何より新川先輩の俺を見る目に、余計なフィルターをかけたくなかった。


「やっぱり。お兄ちゃんぽいもん。面倒見がいい感じがする」


……やべぇって。


本気でやべぇ。


こんなに、女子にほめられた事はない。


怖がらずに、内面を見ようとしてくれるやつなんか、いなかった。


ただの社交辞令だとしても……嬉しい。


彩花の言う通り、これは恋かも……しれない。


何と返して良いかわからず黙ってしまうと、先輩が先に口を開いた。


「じゃあ、帰ろうか、武内くん。どうもありがとう」


そして、にこりと笑った顔を見て。


花が咲いたみたいだ。


そんな気持ち悪い事を思った。

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