双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「そういうわけだから……しばらくよろしくね」
「おう。何かあったらすぐ言えよ」
彩花はのっそりと立ち上がり、うなずいた。
そして、俺の方を見て「ありがとう」と呟いた。
いつからだっただろう。
彩花が、俺の手を離して、一人で歩き出したのは。
一緒に風呂に入らなくなったのは。
別々の部屋で寝るようになったのは。
お互いの体が変わっていって、性格も、小さな頃とはかけ離れたのに。
今前に立つ彩花は、俺の後ろをついて回っていた、頼りない子供の時のままだった。
よっぽど心細いのか。
それとも、メガネと会ってから、他人に心を許して、虚勢をはらずに生きていけるようになったからなのか。
どっちにしても、メガネがいないところでは、俺が彩花を守ってやらなければ。
例え、自分が痛みを受けようとも。
そう、決心した。