双子ですけどなにか?【修正終わりました】


三井は頭を抱えた。


「もう俺が何言っても、ダメかもしれない。彩花ちゃん、可愛いし目立つから……それだけで、気に入らない子もいるみたい。俺や間宮は、後付けの理由にちょうどいいだけなのかも」


チッ。

思わず舌打ちが出た。

和樹が言っていた事を思い出す。

女は女を、理由なく憎む。


「そうか。悪かったな、何も知らなくて……」

「別に……俺達の争いに彩花ちゃんを巻き込んだのが悪いんだから」

「俺達?」


よくわからずに聞き返すと、三井はあからさまに顔を歪めた。


「あー……俺と、間宮のさ」


言いにくそうに、声をしぼりだす三井は、どこか苦しそうに見えた。

やがて、ふぅ、と息をついて覚悟したように、俺を見上げる。


「……俺と間宮が幼なじみって事は知ってる?」

「あぁ、そういえば……里美もだろ」

「そう、里美も。まぁ里美は女の子だからさ、俺等にとってはお姫様みたいなもんだった」


当時を思い出したのか、三井は少し表情を和らげる。


「だけど、男同士はそうはいかんのよ。いつの間にかライバルみたいになっちゃって。何かと理由を付けては、張り合ってた」

「…………」


「まぁ、その頃から間宮は何でもできる嫌な奴でさ。俺が勝てるのは、女の子たらす事くらいだった。まぁそんなこんなで……いつか間宮に勝ちたいと思ってたわけだ」


そんなこんなって、どんなだよ。

しかし、産まれた時からあらゆる点で彩花と比べられた俺には、何となく想像がついた。


「そしたら生徒会に彩花ちゃんが入ってさ。演説の時、超可愛いくて。間宮もきっと、気に入ると思った。だから、間宮より先に手に入れようとしたんだけどね。最初から俺なんか眼中に無かったみたい」


寂しそうな目をして、三井は苦笑した。


「彩花ちゃんが心配だ。間宮とつきあって、傷つかないか」


ドクン。

三井のいつもと違う声を聞いて、鼓動が早くなった。


「どういう意味だ……?」

「本人にも忠告したよ。でも忘れてるのか、関係ないのか」

「だから、何の話だ」

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